女の子がよかった、らしい

 「女の子がよかった!」「女の子がよかった…」、これがここ数年の妻の口癖の一つだ。我が家は息子が一人の3人家族なのだ。100%本気でいうわけではなさそうだが、ある程度は切実にこの言葉を発しているように見える。


理由の一つに、妻にとって息子(多分、男の子全般)の生態が理解できないということがある。妻自身の子供の頃の行動と違いすぎるということだ。現在小学校低学年だが、同じことを何度言っても聞かない、散らかす、家の中でも動き回る、高いところに上る、服をすぐ汚す。よく言えば「わんぱく」なのだが。


また、おもちゃ、本、テレビの趣味も理解できない。特にウルトラマンが怪獣と戦うものとか。さらには行動様式がだんだん父親の私に似てきているのが特に気に入らないらしい。私の同じ年齢の頃を思い返してみると似たようなものだったので男の子はこんなのものと思えるが、妻にとって男の子は宇宙人に見えるのだろう。


息子がこのような状態の時に、他所の大人しそうな女の子を見ると最初の言葉が特に頭を過るようだ。女の子なら話が通じて分かりあえる、服も男の子は種類が本当に少ないが女の子は可愛いのがいっぱい、一緒にショッピングに行ってお茶できる、さらには夫である私の悪口も一緒に言って結束できるとも言っている。だけど女の子だと外で一人で歩かせるのが心配で仕方がないだろうから、その点だけは男の子でよかったとは言っている。


外で親子を眺めるていると、幼児期は男女の違いはあまりなさそうだけど、子供が大きくなるにつれて変わってくる。小学校高学年、中学生以降だと女の子は母親と一緒で、父親と2人というのは街中でほぼ見ない。妻の言っている女の子の方が仲良くできるのもその通りだろうけど、一方ではそれは理想論でそう絵に描いたようにうまくはいかないだろうとも思う。あまり母親の理想を押し付けすぎると反発するかもしれない。


こう子供の性別で愚痴を言えることはありがたいことだと思う。子供が無事に今ここにいるだけで十分なことで、それに比べたら性別は些細なことなはず。おそらく妻もそう思っているはず?


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